全米第2位の長距離通信会社だったワールドコムが不正会計処理に端を発して2002年7月に倒産した事件です。その負債総額は前年のエンロン事件を上回る約410億ドルで、アメリカ史上最大の倒産劇となりました。
ワールドコムは、90年代後半のITバブルの崩壊やスプリント・ネクステ(携帯電話事業者)との合併取り消しなどによって悪化した経営状態を粉飾決算によってごまかしていました。その手法は、本来営業費用に計上すべき回線接続料などの費用を設備投資として資産計上するという単純なものでした。
しかしエンロンと同様に、監査法人はその不正を見逃していました。エンロンとワールドコムの監査を行っていたのはいずれも、大手会計事務所のアーサー・アンダーセンでした。同社はエンロン、ワールドコム両社の粉飾決算を手助けしたということで一気に信頼を失い、解散する事態となりました。
会社の倒産のみならず、司法当局によって経営陣の刑事責任の追及も行われ、CEO(最高経営責任者)のエバーズ氏(写真左)は詐欺や虚偽の財務諸表の提出などの罪に問われ、禁固25年(!)の実刑判決を受けています。