ITサービスマネジメントの導入にあたっては、自社のシステム運用の現状を評価することが欠かせません。何ができていて(Fit)、何が足りないのか(Gap)を正しく理解するためには、ITサービスマネジメントの実施におけるポイントがまとめられた「ITILセルフアセスメントシート」や「ISO20000-1」の要求事項を用いるのが一般的です。
しかしながら、これらの要求事項には、それをどのレベルで行えていれば「良し」とできるのか判断できるかという、背景にある事項についての説明は十分であるとは言いがたく、ITILを正確に理解したハイスキルな要員が必要となります。したがって、ITILの導入が初めての場合は、外部評価サービスなどを活用し、専門的かつ客観的な視点から評価してもらうことがよいでしょう。
現状評価で抽出されたギャップは、ITILの要求事項に対するYes/Noのアセスメントでは評価することができない、根本的な問題に起因している場合がほとんどで、単独で存在していることはほとんどありません。根本にある問題を特定するためには、抽出された全てのギャップを、「プロセス」に関するもの、「組織」に関するもの、「ツールや情報管理」に関するものなどに分類し、各グループにおけるギャップの関係をロジックツリーなどで整理・構造化することが必要となります。
根本的な問題が複数見つかった場合、それを同時に解決しようとするのは、コストや動員できる要員を考えるといささか無理が生じるでしょう。必要となるのは、短期的に解決を要するものと中長期的な解決を要するものを分ける「優先度」の設定です。優先度の設定には、各課題を放置した場合の「影響(インパクト)」や、「実現容易性」などの評価軸を使い、その双方が高いものから解決の課題としていきます。