ERPは統一の取れたコンセプトに基づき設計されているので、企業全体のシステムを網羅し、データが連携されるため、データの二重入力やシステムごとのデータ定義の不整合などを防ぐことができます。この企業のシステム全体を通じての一貫性がERPの最大のメリットで、このためデータのトレーサビリティを確保できることになり監査対応が容易になります。
また、操作担当者の資格・権限や社内規定のマスタ登録により、入力担当者や承認者等の権限が明確に定義されること、さらにそれに基づくチェック機能・管理ポイントが随所に組み込まれていること等によりモニタリングや標準的なリスクマネジメントが可能になります。
しかし、導入コストが巨額になることやシステム部門、ユーザー部門に多大な労力が要求されるなど、デメリットもあります。SOX法対応でERPを導入する場合は、一部の業務だけに導入しても効果が限定されるので、難しい選択を迫られる可能性が高くなります。
| ERP導入のメリット | ERP導入のデメリット | |
| 統一コンセプトのシステム化により、手作業の軽減・信頼性の向上が期待できる。 | 基幹システム全体として統一したERPの導入が前提となるので、コストが巨額になる。 | |
| ビジネス全体でトレーサブルなシステムが構築できるので監査証跡の確保が容易。 | ネットワーク、PC、サーバー類のIT費用が増大する。また維持費も高い。 | |
| システム全体に対し、統一的なセキュリティ対策を講じることが可能になる。 | システム部門だけでなく、システムを使いこなすユーザー部門にも多大な付加が発生する。 | |
| 内部統制に関わる標準的な文書化機能が組み込まれているものがある。 | ベンダー、製品選択が難しく、一度導入すると変更は困難となる。 | |
| 標準的な内部牽制が適所に組み込まれ、システム的なモニタリングが可能。 | カスタマイズが容易でないため、業務面で対応が難しいケースも出てくる。 | |
| 企業グループ全体として導入すれば統一的な内部統制の構築が可能になる。 | OSやERPのバージョンアップにより、システムの改定や再テストが定期的に必要となる。 | |