ここでいう業務とは、組織の事業目的を達成するため、すべての組織内の人が継続して取り組む行動のことを指しています。「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」の内容を簡潔にまとめると、業務の有効性とは事業活動や業務の目的が達成された程度をいい、業務の効率性とは組織が目的を達しようとする際に、時間、人員、コスト等の資源が合理的に使用される程度をいいます。
内部統制は、企業の事業活動に役立つものではなくてはなりません。業務の効率が著しく落ちたり、業務に関係ない作業が増えるだけでは、導入の意味がありません。
例えば、自動車メーカー最大手のトヨタ自動車の「カイゼン活動」は、その活動を通して生産業務のプロセスの効率化に貢献していくことから、業務の効率性の向上を目的として内部統制といえます。
また、製造業においては、生産の際にできる限り不良品の発生を少なくするということが命題となっていると思われます。このような歩留率を向上させるための活動は、業務の有効性を高めることを意図したものといえます。
内部統制の導入直後は、業務改善の実施に伴い現場のやり方を変更しなければならず、不平・不満が出てくるでしょう。また、短期的には業務効率が落ちるかもしれません。しかし、中長期的な視点で見れば、事業活動の透明性、安全性、業務の標準化につながり、業務の有効性と効率性を向上させることに役立つものなのです。