統制環境

統制環境とは一言でいうと、内部統制の目的を達成しようという企業全体の雰囲気や社風のことです。基本的要素はほかにも、「リスクの評価と対応」「統制活動」「情報と伝達」「モニタリング」「ITへの対応」がありますが、この「統制環境」はもっとも基礎的な部分であるといえます。

経営者の意識が何よりも重要

西武鉄道事件(有価証券報告書の虚偽記載)、カネボウ事件(粉飾決算)などの事例を見ると、粉飾を行なう企業はほぼ間違いなくこの部分に脆弱性を抱えていると言えるでしょう。つまり、リスク評価の方法やモニタリング手法が優れていたとしても、利用する側に意識が備わっていなければ意味がありません。何よりも運用する経営者や従業員が、自分たちで決めたルールを守ろうという意識を持つことが大切なのです。

企業はトップダウン、つまり経営者の意向が従業員に伝達される形で業務が営まれるわけですから、経営者の意識はより重要となってきます。経営者がルールを守る気がなければ、従業員がいくら努力したところで、内部統制システムが機能するはずがありません。

では、統制環境は、企業のどのような側面を見ることで把握できるのでしょうか? 実施基準によると、「誠実性及び倫理観」「経営者の意向及び姿勢」「経営方針及び経営戦略」「取締役会及び監査役は又は監査委員会の有する機能」「組織構造及び慣行」「権限及び職責」「人的資源に対する方針と管理」が例示されています。