経営者による不正

内部統制が適切に整備・運用されていれば、重大な法令違反が見つかった場合、直ちに経営者に伝達がなされることになります。しかし経営者は、内部統制を構築する立場であるがゆえに、これを握りつぶしたり、自らが不正な目的のために内部統制を無視することも可能なのです。これが内部統制の4つ目の限界となります。

ワンマン経営者の場合が多い

SOX法導入のきっかけとなったアメリカのエンロン事件やワールドコム事件、国内に目を向けると西武鉄道やカネボウ、ライブドアなど、利益追求を重視するあまり、経営者が自らが株価を上げるために粉飾決算を指示する、あるいは他の役員や従業員が法令に違反していることを知りながら放置するなどの事例が、この数年で多く見られました。

どんなに不祥事や違法行為を防止するための仕組みが整備されていても、経営者が利益を上げることを優先し、法令に抵触するような指示をすれば、内部統制も何もあったものではないでしょう。内部統制システム以前の問題として、取締役会や各種委員会が正常に機能していることが重要です。