IT化が著しい現代社会では、情報は企業にとって「ヒト、モノ、カネ」と並んで非常に重要な価値を持っていますが、内部統制においても、情報とそれを伝達する手段は重要な要素となっています。
例えば、営業担当者は単に商品を販売するだけというわけにはいきません。受注を受けた際に、顧客名、商品名、納期、販売単価という必要な情報を収集しなければなりません。これらの情報がなければ、顧客に商品を出荷することできず、つまり業務の有効性を阻害することになります。また、これらの情報がなければ、会計上の売り上げ処理もできないため、適切な財務報告ができなくなります。
情報の伝達では、会社組織の下から上への正確な情報がありのままに伝わっているかどうかが重要です。大手自動車メーカーによるブレーキ部分の欠陥隠しが問題となったことは記憶に新しいところですが、製造や販売の現場における声が、経営陣まで届いていなかったという問題点が、しばしば指摘されています。必要な情報が、適時に組織内の適切なものに伝えられるように、また不正などの問題が経営陣に届く前に握りつぶされてしまうというリスクを回避することが重要です。
この手段として、上司を通さずに直接、法務部や内部監査部に不正の通報を行う「内部通報制度」を導入する企業も増えていますが、有効に機能している例はまだ少ないとされています。
また、企業にとって有益な情報は内部だけではなく外部からももたらされます。顧客や取引先から苦情や意見はサービスを向上させる上でも、業務を改善するうえでも大変重要です。逆にこれらの情報の取り扱いを誤ると、企業は結果として大きなダメージを受けることになります。そのため、企業は外部からの情報に対しても適時かつ適切に把握し、関係部署に迅速に伝達するプロセスを整備する必要があります。