財務報告に係る内部統制の評価範囲は、経営者の主観で決めることはできません。あくまでも合理的な判断が求められるのですが、具体的には以下のようなの順序に従って決められます。
| 1.暫定的な範囲の決定 |
| 財務諸表上の勘定科目及び開示項目に基づいて、金額的重要性、質的重要性の観点から範囲を決定します。これは、売上高、売掛金、現金、棚卸資産といった勘定科目や注記などの開示項目の数値と性質に基づいて決定された暫定的な範囲です。 |
| 2.暫定的な評価範囲の見直し |
| 1で決定した暫定的な評価範囲を見直していきます。企業活動を構成する事業または業務、財務報告の基礎となる取引、主要な業務プロセスを検討します。一般的には、売上高、売掛金、棚卸資産などの重要な勘定科目にいたる業務プロセスはすべて評価の対象とするということです。この業務プロセスの切り分けは、範囲の決定において不可欠となります。 |
| 3.プロセスの文書化 |
| 評価範囲の決定に至る一連のプロセスは監査法人の監査対象となるため、これまでに進めてきた内容を記録して、説明資料として残しておきます。 |
最初からすべての業務プロセスに内部統制を導入するのは、コスト面で大きな負担となる企業も多いはずです。そこで、まず財務報告の信頼性に直接影響を与えるような重要な勘定科目、事業単位、業務プロセスに絞り込み、その後段階的に範囲を拡げていくのが一般的です。
評価範囲の決定には、高度な判断が必要になります。ここで決定した評価範囲については、監査法人によりその妥当性が監査されることになりますので、実際の評価作業を進める際には、か監査法人と協議するとよいでしょう。