新会社法では種類株式の規定が整備されました

株主は、株式数に応じて平等に取り扱われます(株主平等の原則)が、定款によって権利内容の異なる特別な株式を定めることができます。このような内容の異なる2種類以上の株式を「種類株式」といいます。

種類株式は、出資者の多様なニーズに柔軟に応えることを目的としていますが、会社にとっても資金調達がしやすくなるなどのメリットがあります。例えば、利益配当のみに関心があって、経営には全く関心がないという投資家に対しては、余剰金の配当や残余財産を通常の株式よりも多く受け取ることができる「優先株式」と株主総会で議決権を行使できる事項を制限した「議決権制限種類株式」を組み合わせて発行することにより、投資家は多くの配当を受け取り、会社は資金調達を行いつつも、会社の支配権は与えないということが可能になるのです。

新会社法では、この種類株式についての規定が整備されました。従来の資金調達から企業防衛手段としての面にも重きが置かれるようになりました。新会社法で新設された制度、あるいは整備された制度は以下の4つです。

取得条項付株式
一定の事由が生じたことを条件として会社が株式を取得することができる株式のことで、新会社法で新たに新設された制度です。取得対価の決定方法、株主総会の決議についての条件などを定めなければなりません。

全部取得条項付種類株式
株主総会の決議によって、その種類の株式全部を当該株式会社が取得することができる株式です。内容の異なる2種類以上の株式を発行する株式会社において規定することができ、新会社法によって新設された制度です。

取得請求権付株式
従来からあった「償還株式」や「転換予約権付き株式」を1つの制度として統合したもので、株式会社が発行する全部または一部の株式の内容として、株主が当該株式会社に対して株式の取得を請求することができる株式を意味します。会社は定款で定めれば取得請求権付株式を発行することが可能です。

拒否権付譲渡制限種類株式
種類株主総会の決議が無ければ株主総会での決議が成立しないという内容を持った種類株式のことで、敵対的買収に対抗する手段として注目されています。具体的には、拒否権付種類株式を発行し、かつ、それを譲渡制限種類株式にしておけば、買収者が会社の株式を大量に取得して総会の議決権の過半数を獲得したとしても、拒否権付種類株式が譲渡できなくなっていれば、種類株主総会で買収者の決定を覆すことが可能なのです。