従来、合名会社と合資会社は機関構成が簡単なため、比較的小規模なベンチャー企業などに合致した企業形態とされてきました。しかしながら、社員は経営に参加できるというメリットがあるものの、会社で負った債務を個人で返す責任がある「無限責任社員」となりますので、実際上はこれらの企業形態をとる会社はほとんどありませんでした。
そこで、起業を促進することを目的に、新会社法で新設されたのが、「合同会社」です。社員は全員、出資した金額以上の責任を負わない「有限責任社員」であるにも関わらず、定款により会社内部の組織が自由に設計できるという点に大きな特徴があります。このシステムが米国のLLC(Limited Liability Company)と似ていることから、合同会社は「日本版LLC」と呼ばれることもあります。
所有(株主)と経営(取締役)が分離しておらず、その結果として社員全員の意見を反映した会社経営を行なうことができます。したがって、信頼関係のある少人数の組織運営に最適な形態と言えます。ちなみに大手映画会社に買収されましたが、スピルバーグが設立したドリームワークスもこのLLCでした。
株式会社と同様に、社債を発行できるので金融機関からの借入だけでなく社債発行という直接金融の道もあります。さらに、出資比率に関わらず柔軟な配当が可能なため、大企業と中小企業の連携にも適しています。産学連携など、一方が高度な専門知識を提供し、一方がそれに見合った資金を提供する場合にも有効です。