「発行株式総数を超える株式の発行」、「定款に定められていない種類の株式の発行」、「株式譲渡制限会社で株主総会決議を欠いた株式の発行」、「株主への募集事項の通知・告知を欠いた発行」など、法令や定款に違反する株式の発行が行われた場合には、その発効は法的に無効とされます。このような新株発行の無効を裁判で主張する制度を「新株発行無効の訴え」といいます。
しかし、既に発行済みの株式が無効になると、その株主が議決権をこうした株主総会決議なども覆されることになり、会社の利害関係者に大きな影響を及ぼすことになります。そこで、法律では訴えを起こせる者(提訴権者)を株主、取締役、監査役などの一定のものに限り、提訴機関も「新株発行の日から6ヶ月」と短くしてあります。さらに、この6ヶ月が過ぎない限り、審理を進めることは認められていませんでした。
新会社法では、株式譲渡制限会社の場合、新株が市場で流通せず、提訴期間を延長しても法的安定性が大きく損なわれることがないという観点から、新株発行無効の訴えの提訴期間が1年に延長されました。また、審理の迅速化を図るため、提訴期間中であっても、審理を開始することができるようになりました。
なお、公開会社の場合の提訴期間は従来どおりの6ヶ月となっています。ただし、6ヶ月を過ぎなくても、審理を開始することができます。